極真会館 太田道場(岐阜)
服部 誠

 自分は極真空手に入門して二十年になります。その頃の目標は、黒帯を取得する事でした、当時は黒帯を締めたいという気持ちでいっぱいで、段位の事など自分とは縁のないものだと思っていました。
 数年前に初段を取得させて頂いて、太田先生から黒帯になったら終わりではなくて、黒帯を締めてからどれだけ頑張る事が出来るか、常に目標を持って稽古するようにと言われました。それで、自分の中では弐段取得を次の目標に決めて日々稽古してまいりました。そんな中、去年、太田先生から、しっかり稽古して準備が出来ていれば、来年の公認審査会に挑戦してみないかと言われまして、自分は押忍と返事をしました。
 それから数ヶ月が経ち公認審査会まで後一ヶ月くらいになると、寝ても覚めても審査会の事ばかり考えるようになりました。
 そんな状態で迎えた当日は、とても緊張した事を今でも思い出します。審査が始まり、基本、型で既に息が上がり出して補強の時は、特に拳立てで肉体的に厳しい状況が続きました。その後の組手は激しいスタミナの消耗と腕が上がらなくて、ガードどころか組手の構えすら出来ない状態になっていました、初段から弐段になるという事は、とても過酷な試練を乗り越えなければいけないのだと改めて実感しました。こんな状態で弐段の帯を締めるわけにはいけないと思い太田先生に相談して、太田道場でもう一度、受けさせて頂く事にしました。
 六月十日に太田道場で、今年二度目の審査会を迎えました、公認審査会とは違う緊張感と六月の蒸し暑さでどんどんとスタミナが消耗していくのが分かりました。基本、型、補強が終わって最後の組手は、今回も自分との戦いで、相手の攻撃を耐えるのが精一杯で立っているのがやっとでしたが、自分の為に大勢の先輩や仲間達が応援してくれたおかげ、何とか審査会を終える事が出来ました。
 今回の審査会は、自分にとっては、初段の時以上に大変な試練でしたが、会場での緊張感や終わった後の達成感というのは、日々、仕事や日常生活では体験する事の出来ないとても貴重な経験になりました。これからも目標を持って、さらに上を目指して日々精進してまいります。
  大石最高師範を始め、各師範方、先生方、各道場の方々、太田先生、応援してくれた太田道場の方々、高山道場のみんな、どうもありがとうございました。

押 忍