早川 徹 初段(岐阜 太田道場)
〜2009年12月20日取得〜

この度は、昇段審査の機会を与えていただき、ありがとうございました。
昔の私を知る方は、私が極真の黒帯の取得を知るとかなり驚く事でしょう。子供の頃 より運動音痴で、どちらかと言うと家の中で静かに遊ぶタイプでした。
学生の頃も運動部に所属していましたが、あまり熱心に打ち込む方ではありませんでした。
 そんな私が極真空手に入門したのは、32才の時でした。動機は、その当時の格闘技 ブームにのり、ただミーハーな気持ちで、極真の道着を着る事ができる!程度の物でした。いざ入門してみると、極真空手の奥の深さ、厳しさを感じました。特に驚いたのは最初の審査会で、上級者の先輩方相手に組手を行うのですが、有段者の方に思いっきり打撃を入れてもビクともせず、鍛えればこれほど強くなる事ができる物なのかと、非常に感心しました。ただ、私はこの領域に辿り着く事ができるのだろうか、また、それまで続ける事ができるのか、正直自信がありませんでした。
 極真空手を続ける中で一番辛かったのは、二度のケガ、入院でした。正直、辞めた方が 良いのではと思いましたが、ただ、ここで辞めてしまっては、以前の中途半端な自分に戻ってしまう気がし、細々でも続けようと思いました。その時、妻には大変な苦労をさせて しまいましたが、私の気持ちを理解してくれ、続ける事を許してくれました。今では、 極真空手の良さを理解してくれる良い協力者です。
 茶帯の進級と同時期に子供二人を入門させ、それから更に空手に対する意識が強くなりました。子供に対して見本を見せよう、いいところを見せよう!という気持ちと、茶帯 としての責任を果たそう!という気持ちで、常に空手の稽古を優先する様努めてきました。
 その中で、太田先生より昇段審査の話がありました。正直組手も強く無く、型も下手で、こんな未熟者が昇段審査を受けて良いものかと非常に戸惑いました。それでもとりあえず努力してみようと思い、道場の稽古の他に、自主トレーニング等を行ってきました。
審査の時は非常に緊張し、力が入り過ぎたのか、移動稽古ですでに足が非常に張った状態になってしまいました。型の審査では何故か非常に息があがり、平安其の五では足が地につかない状態でした。十人組手では、四人目で既に上手く動く事が出来なくなり、五人目以降は正にサンドバック状態でした。非常に辛い状態でしたが、道場生のみんなの声援に支えられ、最後まで立っている事が出来ました。
 最後に、昇段審査まで指導していただいた太田先生、一緒に稽古をしていただいた道場生の皆様、十人組手の相手をしていただいた道場生の皆様、審査の時に応援してくれた少年部のみんな、本当にありがとうございました。これからも真の黒帯になれる様、稽古に励みたいと思います。

押 忍